こんにちは、雫です。
今回紹介する本は、こちら!
綺麗で寂しげな雰囲気の小説です。
「琥珀のまたたき」小川洋子
本屋をぶらぶらしていたときに見つけました。
雫が独自に考えたランキングでは、いびつだけど独特の世界観で読者を魅了するランキング1位です!笑
作者は「博士の愛した数式」でも有名な小川洋子さんです。
有名なのにまだ読めていないので、そのうちそちらも読んでみたいと思います……。
「壁の外には出られません」
最も大事な禁止事項を、ママは言い渡した……。
帯に書かれたこの文が気になり、思わず買ってしまいました。
どんな内容か知りたくないですか?
今回はそんな期待に応えて、ネタバレなしで紹介していこうと思います!
あらすじ
パパが遺した別荘で暮らすことになったママと三きょうだい。
しかし、新しい生活ではママの禁止事項を守らなければなりませんでした。
・今までの名前を口にしてはいけない
自分の名前を捨て、新しい名前を付けなければならなくなった子どもたちは、理科図鑑から名前を選びます。
その日から、姉はオパール、真ん中の男の子は琥珀、下の弟は瑪瑙(メノウ)と名付けられました。
・壁の外へ出てはいけない
別荘の庭を囲っている壁の外に出ることも禁じられました。
電話もテレビも一切なく、学校へも通わず、琥珀はいつしか外の世界で暮らしていた記憶も薄れてきました。
瑪瑙に至っては、まだ5歳だったため外の世界での暮らしもほとんど覚えていません。
彼らは全く退屈せず、庭や書斎などを毎日探検して過ごしていました。
・大きな声を出してはいけない
ママの言いつけ通り、彼らはささやくように話し、歌をうたうときもダンスをするときもほとんど音を出しませんでした。
周りから見ると奇妙な禁止事項ばかりですが、当の本人たちにとってはこの生活が当たり前になっていて、特に違和感も支障もありませんでした。
しかし、ママが働きに出ている間に少しずつ、こっそりと禁止事項が破られていきます。
ずっと続くと思っていた平穏な生活が崩れ始めて……。
こんな人におすすめ!
抽象的な表現が好きな人
オパールのバレエ、琥珀の描く絵、瑪瑙のうたう歌など、多くの芸術的な場面があります。
そのときの表現がすごく綺麗で抽象的で、本物と空想の区別が付かなくなるほどです。
好みは分かれるかもしれませんが、幻想的な表現で情景を思い浮かべられる人にとっては本当に綺麗な作品だと思います。
静かな世界を楽しみたい人
ママの禁止事項にあるように、この家の中ではみんなが静かに話します。
声を荒げることも決してありません。
現実世界を忘れてゆっくり読書をしたいときにおすすめです。
兄弟姉妹を大切に思っている人
家で勉強をしているとき、 新しいものを発見したとき、どんな時でも三きょうだいは常に一緒です。
何か事件が起こっても、3人で寄り添って互いを支え合います。
壁の内側での生活が続けば続くほど、彼らの絆が深まっていき、愛おしさが増します。
兄弟がいる人ならなおさら、世界観に入り込めるんじゃないでしょうか。
私は三姉妹の長女なので、オパールに重ねて読んでしまいました。
さいごに
あらすじを読むだけでもママの禁止事項を不思議に感じますが、子どもたちにとってはそれが普通なんですよね。
きっと皆さんも、「これ普通だと思ってたけど、ウチだけ特殊だったの?」という経験があるのではないでしょうか。
オパール、琥珀、瑪瑙もそんな感じなんだろうな、と思いながら読んでみてください。
知らないうちに少しずつ壊されていく世界。
話を読み進めるうちに不審感があふれてきますが、どんな結末が待っているかは皆さんで確かめてみてください。
購入は以下のリンクからどうぞ!
コメント