皆さん、こんばんは。
今日は、川島永嗣選手の「耐心力 重圧をコントロールする術がある」という本を紹介しようと思います。
これは先月発売された本で、「準備する力」「本当に英語を話したいキミへ」に続く自身3冊目の書籍です。
またサッカー選手の本か、と思った方には申し訳ありません。
ですが、サッカーについてあまり知らないからといって内容に全くついていけないというわけではないので、しぶしぶでもいいので手にとって読んでみてください。
川島選手の考えに触れると、今までのサッカーへのイメージが変わるかもしれません。
そしてあわよくば、サッカーが好きな人が少しでも増えればいいなと思っています!笑
概要
川島選手といえば、誰もが知っている日本の守護神、ですよね。
知らない方のために簡単に川島選手の紹介をしておきます。
川島選手は現在リーグ・アン(フランス1部リーグ)のストラスブールに所属しているプロサッカー選手で、ポジションはGK(ゴールキーパー)です。
日本代表選手としても活躍し、3大会連続でW杯に出場しています。
今年のロシアW杯でも、全試合で日本のゴールを守りました。
川島選手は日本代表として8年間もゴールを守り続けてきましたが、決して順風満帆だったわけではありません。
これまでのサッカー人生で考えると、むしろ裏ではけっこう苦しい生活をしていたそうです。
皆さんもお分かりかと思いますが、サッカーの中でもGKというのは他とは違うポジションです。
FWなどの攻撃選手だと、ゴールを入れれば目立てるし、俊敏に動いていたら評価されることも多くなります。
しかしGKは、自分のミスが失点に直結するポジションであり、目立つときは失点したときになってしまいます。
世間から批判を受けたときもあるし、所属チームがなくなったこともある。
自身に降りかかる重圧をどのようにコントロールし、どうやって乗り越えるか。
辛かった日々について、実体験を踏まえて綴ったものが、この「耐心力」です。
なかなか上手くいかないことが続いて辛い。
乗り越えるのが難しい壁がある。
そんな悩みを抱えている方に、おすすめしたい一冊です。
サッカーなんて分からない、という方でも気軽に読むことができると思います。
こんな人におすすめ!
・上手くいかないことが多い人
・困難を乗り越える方法が分からない人
・サッカーの中でもゴールキーパーというポジションに興味がある人
評価ポイント
・専門性 ★★★☆☆
・意外性 ★★★☆☆
・実現性 ★★★★☆
・おすすめ度(総合) ★★★★☆
サッカーの面でもビジネス書の面でも専門性は高くありません。
その分、自分の生活にも取り入れやすい考え方が多いので、読みやすいと思います。
内容
まえがきがロシアW杯の失点のシーンから始まります。
率直な感想として、読んでいて心が痛い、と思いました。
私たちにとっても記憶に新しいので、あの瞬間の悔しさが昨日のことのように思い出されます。
ただ、これによって、より川島選手の気持ちに近づいた状態で読み進められるんじゃないかなと思います。
読者の心を掴む入り方だな、と思わず感心しました。
ここからは、「耐心力」のおすすめポイントを、各章に分けて紹介していこうと思います。
第一章 ロシアW杯
まえがきと同じように、本の最初が2018年のW杯のエピソードから始まります。
テレビを見ながら選手と一緒に悔しさを噛み締めたり、ベスト8進出にかけてわくわくしたり、中には現地まで足を運んだ方もいるかもしれません。
その感情を、もう一度味わえるような章になっています。
あのとき川島選手や他の選手はこんな気持ちで臨んでいたんだ、と感じながら読むことができます。
W杯を見ていた方なら涙なしでは読めないかもしれません!
各試合のフォーメーションから得点者、選手交代の時間まで詳細に書かれているので、W杯を見ていなかったという人でも大丈夫ですよ!
また、この章では長谷部選手の引退エピソードについても触れられています。
長谷部ファンには必見ですね。
ちなみに長谷部選手が好きな方にはこちらもおすすめです。
詳しい内容は以下のリンクからどうぞ。
第二章 心を養う、18の人生訓
ここでは川島選手の価値観などが書かれています。
人は変えられない。だから、まずは自分が変わる。
上手くいかないと思っていても、周りの人が自分に合わせて変わってくれるなんてことはありません。
人は待っていても動いてはくれないのです。
だから、状況を変えたい場合はまずは自分が変わる。
ただこれは、自分の意志を曲げて他人に合わせるのがいいと言っているわけではありません。
まず相手の考え方を受け入れて、そこに自分らしさを上乗せしていくと正解は導き出されるでしょう。
自己主張の術を持っておく
サッカー以外のスポーツでもほとんどそうだと思いますが、試合に出るのは選手でも、試合に出るのを決めるのは選手じゃなくて監督です。
なので、ただ黙って待っているだけじゃ何も始まりません。
何でもかんでも自己主張ばかりするのはよくないと思いますが、時には自分の気持ちをしっかりと伝えることは大切です。
ヨーロッパでは、必要な時に自己主張をしなければ、「コイツは何も言わないから放っておいても大丈夫」と認識されてしまうそうです。
本書の中で、川島選手はこのように述べています。
すべてを理解してもらうことができて、ことが万事進むわけではないかもしれないけど、勇気を持って伝えなければならない瞬間は必ずある。その瞬間を見極めてしっかりと自己主張するということは、サッカー選手としてだけでなく、ひとりの人間として大切な要素だと僕は思う。
私たちはサッカー選手ではないし、ヨーロッパで生活しているわけでもありませんが、必要なときにある程度自己主張するのは大事なのではないでしょうか。
嫌い、には伸び代が潜んでいる
意外かもしれませんが、川島選手は走ることが大嫌いだったそうなのです。
ある時、走らざるを得ない状況になった川島選手は、走りながらも気付きがありました。
走ることが嫌いなのに無理して頑張ろうとするから苦しいのだ。
欲張らずにスピードを抑えて走ってみると、自分のペースを保てばいくらでも走れるかもしれない。
自分のペースを知った川島選手は、それから走ることが好きになったそうです。
このように、嫌いなことにもトライしてみると、新しい可能性をもたらしてくれるかもしれません。
勝手に自分の限界を決めて、嫌いから逃げているのはもったいないと思えてきませんか?
皆さんも、嫌いだと思って放置しているものに取り組んでみてください。
「嫌い」を「好き」に変えることができるかもしれませんよ。
第三章 ひたすら耐え忍んだ浪人時代
川島選手は2015年、ベルギーのスタンダール・リエージュというチームを退団した後、なかなか移籍先が決まりませんでした。
移籍期間が過ぎても移籍先がないという状況に陥り、浪人生活が始まりました。
約半年間の浪人生活でしたが、人生のどん底に落ちたと言います。
どのような経緯で浪人生活に至ったのか、そのときどのような気持ちだったのか。
あまりニュースなどでも語られていない部分まで詳細に書かれています。
川島選手の最も辛かった過去から、私たちも学べることがあるのではないでしょうか。
最後に
日本のゴールを守り続けて活躍しているイメージの川島選手ですが、裏では思った以上に辛い過去があったんですね。
それを知ったうえで、今後の川島選手の活躍を見ると、また違った見方ができるかもしれません。
また、今まで全くサッカーを見たことがない方も、これで少しでも興味を持っていただければいいなと思っています。
来年の1月にはアジア杯があります。
川島選手が出場されるかは分かりませんが、ぜひ皆さんで日本代表を応援しましょう。
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