普通を疑う。/「コンビニ人間」村田沙耶香

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f:id:asuyomi-book:20181119082325j:plain「常識とは18歳までに集めた偏見のコレクションである」

–アルベルト・アインシュタイン−

 

あなたの常識は、本当に常識でしょうか?

 

 

僕たちが「普通」だと思っていることは本当に「普通」なのか。

そもそも「僕たち」というのも怪しい。

それは「僕だけ」の「普通」かもしれません。

 

自分の感覚が人と違うと知った時の恐怖感は誰もが味わったことがあるのではないでしょうか。

 

そんな時、慌てて周りに合わせるのか、何もなかったように固まるのか、真っ向からぶつかるのか……

人によってその対応の仕方に違いはあるでしょう。

 

もしも自分が人と違うことがバレたらどうなるのか。

受け入れられるのでしょうか。

 

いや。

おそらく多くの場合「排除」されるでしょう。

 

自分たちと違う人がいれば、きっとあなたもそう思うでしょう。

グループの和を乱す人がいれば示し合わせた訳でなくても冷たくあしらうし、電車で寄生を発する人がいれば早く降りてほしいと思うでしょう。

僕たちは意図的かどうか分からないけど、そうして自分と合わない人を「排除」しようと思います。

それが自分に近い社会であればあるほど。

 

考え方を変えると、考えが近い人が集まっているからこそその社会は成り立っているのかもしれません。

 

 

あなたの価値観が本当に周りと合っているなんて誰にもわかりません。

もしかしたらあなたの身近な人があなたとはあまりにも違う考えかもしれませんし、あなたがそうである可能性もある。

 

なかなか見えないからこそ難しい。

 

 

少し長くなりましたが、今日紹介するのは「コンビニ人間」

 

村田沙耶香さんの代表作で、2016年に第155回芥川賞を受賞しています。

おそらく題名を知っている人も多いのではないでしょうか。

 

「コンビニ人間」

この作品はそんな「常識」や「普通」を見つめ直す機会を与えてくれる一冊です。

 

わずか161ページの中に、考えるきっかけがたくさんあります。

 

 

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主人公はコンビニ歴18年の女性・古倉恵子

就職もせず、男性経験もなく、子供の頃は喧嘩を止めるためにスコップで相手を殴るような女性。

 

そのプロフィールだけで「異常」さがあります。

だがしかし彼女にとってはそれが普通。

 

彼女はただただコンビニのことを考えて動き続ける。

前日は早く寝てバイトに備えるし、バイト中はコンビニが機能するために考えを巡らし行動する。

彼女はコンビニで働くことで社会の一部になっている実感を得ているのです。

 

それは凄く良いことだと思います。

ただ彼女の場合、それが「全て」であることが問題なのかもしれません。

 

彼女はコンビニが全て。

だからこそそこで働く人たちもそうであると思っている。

当然のようにコンビニのことを第一に考えていると思い込んでいるのです。

 

だけど周りの人はそうでない。

夢があれば恋もあれば日々の生活がある。

 

主人公である彼女は、とあるきっかけでそのことに気づきます。

そこで彼女は大きな違和感を覚える。

どうしてみんな仕事中に恋の話をするのか。

今はコンビニのことだけを考えるべきなのに。

 

それが彼女の普通なのです。

 

でも世間の価値観からすれば、興味深い話題があればバイトなんて置いといてその話がしたいものです。

常にコンビニのことだけを考えている彼女の方が異常なのです。

 

 

「異常」というのはあくまで相対的なものです。

でもそれが相対的なものであるからこそ、納得できない部分もあるし、理解できない部分もある。

 

そしてその異常さが目立つと、いつのまにか排除されてしまう。

 

自分は普通に生きているだけなのに。

 

 

でも、たとえ人に異常と言われようが、自分の中に確かに存在する軸。

 

それを大事にするか、自分から削除して周りに合わせるか。

 

どちらを選択するかは人それぞれです。

でもどちらを選ぶかできっと周りとの違いはよりハッキリとするでしょう。

 

 

自分の異常さに少しずつ気づき始める「コンビニ人間」の古倉恵子がどちらを選ぶのか。

 

 

それが本書の醍醐味だと思います。

 

 

誰にでもある「異常」な部分。

あなたはそれを無くして周りに合わせますか?

それとも磨き続けて周りに牙を剥きますか?

 

何が正解かは分かりません。

だからこそ「普通」とは何かが分からなくなる。

 

 

「コンビニ人間」はあなたの「常識」や「普通」を考えるきっかけとなるでしょう。

 

サクッと読めるのに、後味がずっと残る。

そんな作品です。

 

 

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ここまでご覧いただきありがとうございました!
また次の記事でお会いしましょう。

ありがとうございました!

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